建設業界は、過去15年で新規就職者が35%減少するなどの課題を抱えており、長期的な人材の確保と育成が求められています。
2022年11月に開催された規制改革推進会議・経済活性化ワーキンググループでは、建設業の技術者制度の合理的な見直しが求められました。これを受けて、「適正な施工の確保のための技術者制度検討会」を設立し、2023年5月に技術者要件の緩和と技術検定の受検資格の見直しの方向性をまとめました。
令和6年度以降の技術検定制度
1級の受検資格
第1次検定:年度末時点での年齢が19歳以上
第2次検定:
1級1次検定合格後、
・実務経験5年以上
・特定実務経験(※) 1年以上を含む実務経験3年以上
・監理技術者補佐としての実務経験1年以上
2級2次検定合格後
・実務経験5年以上(1級1次検定合格者に限る)
・特定実務経験(※) 1年以上を含む実務経験3年以上(1級1次検定合格者に限る)
※特定実務経験
請負金額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の建設工事において、監理技術者・主任技術者
(当該業種の監理技術者資格者証を有する者に限る)の指導の下、または自ら監理技術者・主任技術者として行った経験
(発注者側技術者の経験、建設業法の技術者配置に関する規定の適用を受けない工事の経験等は特定実務経験には該当しない)
以前は指定学科を卒業後に実務経験が必要でした。改正後は19歳以上で第一次検定の受験資格を得て、第一次検定合格後の実務経験3年で第2次検定の受験資格が得られます。
2級の受検資格
第1次検定:年度末時点での年齢が17歳以上※従前どおり(変更なし)
第2次検定:
2級1次検定合格後、実務経験3年以上(建設機械種目については2年以上)
1級1次検定合格後、実務経験1年以上
第2次検定の受験資格に必要だった実務経験年数が大幅に短縮されます。
第2次検定の受験資格が同等と認められる受検資格要件
1級第2次検定
土木:
技術士第二次試験(建設部門、上下水道部門等)合格後、実務経験5年(特定実務経験1年を含む場合3年) 以上
建築:
1級建築士試験合格後、実務経験5年(特定実務経験1年を含む場合3年)以上
電気:
第1種電気工事士試験合格後または免状交付後、実務経験5年(特定実務経験1年を含む場合3年)以上 (別途1級
1次検定に合格することが必要)
2級第2次検定
建設機械:
建設機械操作施工の経験6年以上 (別途2級1次検定に合格することが必要)
土木:
技術士第二次試験(建設部門、上下水道部門等)合格後、実務経験1年以上
建築:
1級建築士試験合格後、実務経験1年
電気:
電気工事士試験または電気主任技術者試験の合格後または免状交付後、実務経験1年以上 (別途1級又は2級1次
検定に合格することが必要)
電気工事士および電気主任技術者についてはこちらです
電気通信:
電気通信主任技術者試験合格後または資格者証交付後、実務経験1年以上 (別途1級又は2級1次検定に合格する
ことが必要)
電気通信主任技術者についてはこちらです
第1次検定の一部免除の対象等
免除を受けることができる者と免除の範囲は以下の通りです。
大学の土木工学の専門課程卒業者(大学改革支援・学位授与機構により専攻分野を土木工学とする学士の学位認定を受けた者、大学院に飛び入学した者を含む)
土木種目の1級及び2級の一次検定のうち工学基礎に関する問題
短期大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の土木工学の専門課程卒業者
土木種目の2級の一次検定のうち工学基礎に関する問題
大学の建築学の専門課程卒業者(大学改革支援・学位授与機構により専攻分野を建築学とする学士の学位認定を受けた者、大学院に飛び入学した者を含む)
建築種目の1級及び2級の一次検定のうち工学基礎に関する問題
短期大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の建築学の専門課程卒業者
建築種目の2級の一次検定のうち工学基礎に関する問題
一部免除について、いずれも令和6年度以降の入学者又は学位認定者に限られます。令和11年度以降の検定が対象と、ちょっと先の話です。
令和6年度以降の技術検定に係る運用の詳細は、現在検討中のようです。新しい情報がありましたらお知らせします。
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