そもそも公共工事に比べて民間工事において建設キャリアアップシステムを利用する利点が見当たらない・・
本記事では民間工事における建設キャリアアップシステムの活用についてご提案がございます。
今後、民間工事受注会社は、職人の安定確保のため社員として雇用し自社の現場力を高めていく努力が大変重要になります。
人事評価の方策の一つとして建設キャリアアップシステムを活用してみてはいかがでしょうか?
公共工事業者と民間工事業者の処遇の差が広がった理由
国土交通省が直轄する公共工事では、2017年度から原則として社会保険に未加入の会社は、下請けの専門工事会社も含めて現場に入場できなくなりました。
これは元請けにとって非常に重要な問題です、元請けと下請けが協力し職人さんたちの社会保険加入が一気に進みました。同時に一人親方から社員雇用への流れがおこりました。
さらに、職人の減少率は、建設技能者全体でも減少傾向にありますが、特に大工の減少の幅が多く見られます。実感として、千葉県東葛地区でも工務店さんの高齢化が顕著に現れており、跡継ぎもいない状況にあります。
民間工事の世界では、まだ一人親方の存在が大きく、社会保険の導入が進んでいない状況です。日本の若年人口が減っているなか、若い大工を確保するのは至難の業です。そこで思いつくのが外国人労働者ということになりますが、日本の近隣諸国ではコロナ後の建設需要により、日本と母国での賃金格差も縮小傾向にあるようです。つまり、外国人労働者も、わざわざ日本に来る必要がなくなってきているということです。外国人労働者に頼れなくなるということは、自前の大工を育成していく必要性が、ますます高まっていくということになります。
現場力の確保のためには人事評価の仕組みが必要
若い職人さんは社会保険や労働保険に加入できれば建設会社に入社してくれるのか??
子育て世代でもある若手の職人さんが最も求めていることは、やはり賃金でしょう。
適正な賃金算定のため人事評価を進める方法の一つとして、1人ひとりの職人の能力が適正に評価され、それに見合った賃金が得られるようにする仕組み。国が19年3月に施行したのが「建設キャリアアップシステム(以下、CCUS)」があります。2023年度から「あらゆる工事でCCUSを完全実施」を目指しています。
「建設 キャリアアップシステム」とは
これは、大工や鉄筋エ、型枠エな ど合計35の職種において、技能者 の能力を「初級技能者」「中堅技能者」「職長」「基幹技能者」の4つのレベルに分け、経験や技能に見合った賃金を得ることを目的とした制度です。CCUSに登録した技能者は、レベルに応じたIDカードを所持し、カードに保有資格や現場就業記録を蓄積します。
国の施策として「建設技能者とは建設キャリアアップシステムに登録された者をいう」と告示に定義しているという事実があります。
もし、CCUSの普及が進んだ先には、自らのキャリアを証明することが出来ずに現場に入れなくなる未来があるかもしれないのです。
しかし、現在の普及については当初の目標を大きく下回り、経営事項審査の評点対象となりましたが、点数自体は低く抑えられているので、とても普及が進んでいるとは言いがたい状況ではあります・・
民間工事で、CCUSを活かす手はいくつか考えられます。
賃金上昇のためには、当然、完成工事高を増加させる必要があります。施主さんに対して、現場で働く職人さんのキャリア状況を職種別、ランク別に明示すれば事業主や建て主の信頼感や安心感が高まるはずです。
受注状況が厳しい中、賃金アップや経費の増加は会社経営的に、かなり厳しいな・・・
お客様に選んでいただける工務店となるべく、様々な事項を平行して進めていかなければなりません
若手、現場監督の育成・一人親方の雇い入れ・・きびしい・・
坪単価が少し高くても現場力のある工務店が選ばれるようになるのではないでしょうか。
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